about
iipanについて


iipanは2007年9月に自宅の倉庫を改装しひとりで小さく始まりました。
2012年に現在の店舗へ移転、2017年に10年目をむかえました。
iipanの名前の由来は、「良いパン」を作るという思いに加え、店主自身の姓の引用、
そして「i(人)」と「i(人)」がパンを通していろいろな人とつながっていけたらいいな、という願いを込めています。
これからもずっとそうありますように。今日もその思いでパンを焼き続けています。

2007年9月にオープンした最初の店舗
パンとの出会い


店主とのパンとの出会いは、東京の美術の専門学校に通っていた頃に、
パン屋さんでお昼用にパンを買ったのがきっかけでした。
子供の頃や学生時代もパンを食べてはいましたが、特に思い入れはなく、
食卓に出されたものをただ食べていました。
でも、専門学校の時に買ったパンはどれも違っていました。
東京にはたくさんのパン屋さんとたくさんのパンの種類があり、
毎日違うパンを買って食べ続けても、おいしくてまったく飽きない。
パンてこんなにおいしいたべものなんだ!と衝撃を受け、それから色々なパン屋さん巡りが始まりました。

ちょうどそのころ、憧れていた料理家さんがパンのレシピ本を出したので、自分でも見よう見まねで作ってみるように。
焼いたらたくさん出来るので、友達に配って食べてもらったり、失敗したら次はこうしてみよう、ああしてみよう・・・と、
どんどんのめり込んでいき、それがそのまま仕事になった・・・というわけです。

2012年にオープンした現在の店舗
イイパンの大切な想い


美術の勉強では、ずっと平面に絵を描いていたので、立体的にものづくりが出来ることも
とても新鮮で面白味を感じました。以前から自分の手で何か自己表現をしたいと感じていたので、
パンを作るようになってからは、これだ!と確信めいたものがありました。
でもこれでは趣味の延長線上のままなので、パン屋さんの修業にいかなくては!と修業もさせていただきました。
修業させていただいた神奈川県葉山町にあったパン屋さん(現在は閉店)と、
その前に働いていた栃木県益子のカフェ、スターネットが、オーガニックの材料をメインに使ったお店だったので、
それが今のiipanの根っこというか、ベースになっています。
オーガニックのものは、味が濃厚でおいしく、身体にいいのはもちろん、土にも、育てて作る人にも、
生態系にも、地球にも、すべてのものに負荷をかけず、矛盾がない。
そういう食べ物が身体に入ったら、いいエネルギーしか生まれないのでは?
もちろん、作り手の私のエネルギーというか「気」のようなものも入るような気がするので、
パン作りの時はパン生地をよく見て触って、パンと一体になったような、楽しいリズムで作業が出来るよう、
時には鼻歌も交えながら(!)作っています。
スターネットで働いていた時、パンの酵母を一から手作りしたのも大きな発見でした。
それまではイーストで焼いていましたが、果物やドライフルーツをビンに入れて水と一緒に置いておくだけで
プクプクと醗酵してくる。そのプクプクでパンが膨らむって凄い!とビックリしたものです。
時間や手間はかかりますが、世界にひとつだけの自分の自家製酵母でパンが焼ける!
これもベースにしていこうと決めました。
また、修業先のパン屋さんは、ヨーロッパ伝統の昔ながらのパン作りをしていました。
玄麦(小麦の粒)を石臼で自家製粉して、酵母やパンに使っていたのです。
お米やコーヒーなど、精米したて、挽きたてのものは新鮮で酸化していないのでおいしい。小麦も同じです。
石臼で自家製粉する技法も受け継いで取り入れました。
栃木産無農薬の玄麦を使う分だけ、その都度挽いています。
それから10数年経ち、今もパン作りの基本は変わりません。材料を変えたり、製法を変えたり、
パンの味など開業当初からは多少変化しているところはありますが、根っこは初心のまま、
これからもずっと取り組んでいきたいと思っています。

 
パン作りとお店


iipanのパン作りは、とてもゆっくりです。自家製酵母で作ったパンは醗酵もゆっくりなので、
前日に作った生地を冷蔵庫で一晩寝かせておきます。
当日に醗酵器でゆっくりと温度を上げていって焼き上げていきます。時間がとてもかかり、
毎日パンを焼くことは出来ないので週3日の営業です。
開業してからずっとひとりでマイペースでの営業をしてきましたが、子供が生まれてからは、
仕事に充てる時間を大幅に減らさざるを得ない状況も。
これからもこのマイペースでお客様にご不便をおかけすることが多々あるかと思いますが、
どうぞお付き合いいただけたら幸いです。

 
パンの材料について


iipanの材料選びは、オーガニック、地元で採れたもの、国産のもの、などが基準になっています。
地球の裏側の遠いところからエネルギーを大量に使い運ばれてきたものよりは、
自分の住んでいるところからなるべく近くで、農薬など環境に負荷をかけて
いないものが一番と考えます。常に、よりよい材料に出会えるよう日々探し続けています。

【粉】
・栃木産無農薬中力粉
・栃木産無農薬石臼挽き自家製粉全粒粉
・栃木産無農薬石臼挽き自家製粉ライ麦粉
・栃木・岩手・北海道産強力粉
【副材料】
ドライフルーツ・ナッツ・シード・チョコレート・ピール・ごま・シナモンなどオーガニック
【砂糖】
・きび砂糖
・黒砂糖
【塩】
・ゲラント塩
【酵母】
オーガニックレーズンからおこしたものに、石臼で挽きたての自家製粉全粒粉を加え、かけ継ぎという製法で育てています。
 
本とコーヒー


店内ではオーガニックの食材、出版社mmbooksの書籍、群馬県の古本屋「suiran」さんが
iipanのためにセレクトした古本も販売しております。
テーブルやカウンターではパンや飲み物のイートインも可能。
コーヒーを飲みながら、販売している雑誌や古本を手に取ってゆっくりとご覧いただけます。
(mmbooksは、文筆家・詩人でもある服部みれいさんが編集長を務める雑誌「マーマーマガジン」や、新しい生き方や自然や人とやさしく寄り添う生活を提案する書籍などを発刊している岐阜県美濃市にある出版社です。)


  ID #iipan2007

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