少し時間が出来たので先日の旅のことをまとめてみます。熊本へ出かけたのは前述しましたが目的は3年前に当店でライブをして下さった作家の坂口恭平さんの個展を見に行くこと。それから、畳職人の夫の仕事で@tatebori_tatami八代市のいぐさ農家さんを訪ねることでした。畳の材料のいぐさのほとんどが八代市で栽培されています。 今回訪ねた農家の上本さんはいぐさを栽培する際土壌にヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、イースト菌、黒糖等を発酵させた環境浄化微生物を散布し土を健康な状態に整えています。上本さん曰くお腹の腸内環境を良くするのと一緒ですよ、とのこと。知り合いのイチゴ農家さんからから聞いて20年近くその栽培方法を続けているそう。 ただ、290件近いいぐさ農家さんのうち同じ栽培をしている方はほとんどいないとか。さらに、いぐさ農家さんはいぐさを栽培して終わり、ではないのです。収穫後、いぐさを泥染めし畳表に織り上げるまでが仕事。農家であり、職人でもあるのです。パン屋でいったら、小麦栽培からパンという製品にするまでを一手に担っている店、といってもいいかもしれません。 そんな店なかなかないですよね。いぐさを泥に染めることによりいぐさ表面を均一にコーティングして変色を防いだり畳特有の香りも生まれます。この上本さんは泥染めをしていない畳表も作られています。 泥染めをしているいぐさより織るのに技術を要するようですが泥で染めないことにより畳表は艶やかで、いぐさ本来の香りも楽しめ、カビも出にくく、肌にも優しい。飲み物をこぼしてもいぐさの油分で染み込みにくい。赤ちゃんが舐めても安心。使う人にも、環境にもやさしい。とても尊いお仕事をされていらっしゃる…!と感動しまくりでした! 八代市から熊本市に戻り熊本市現代美術館へ。毎日毎日描き続ける恭平さんの無数の絵たち。美術館にアトリエが再現されていてつい先週描かれた絵、という出来立てホヤホヤな絵もありました。言葉に出来ないくらいの圧倒される展示でした。夫の畳屋でも、上本さんの無染土の畳表をお取り扱いさせていただいています。フローリングしかないお宅にも置き畳としてお作りも出来ますよ。また時間ができたら熊本の旅の続きをまとめてみます。1枚目 いぐさ農家さん上本さんと2枚目 畳表を織る機械。3枚目 いぐさの田んぼ(生まれて初めて見た)4~10枚目 坂口恭平さんの個展にて。 熊本市現代美術館#iipan #イイパン
news / blog